Vol.18 Streets of VASIC

暖冬の今年はニューヨークも雪がほとんど降らず、ちょっぴり残念? なこの頃です。とはいえ、冬になると切実に恋しいのが日本のお風呂です。築100年近いアパートが当たり前で、水道管も同様に年季が入っているというニューヨークの住宅事情では、浴槽にお湯を張ってゆったり…という習慣は実はそこまで浸透していません。バスタブがないという家もあり、シャワー派がほとんど。

 

日本では最近、サウナブームが過熱しているとか。ニューヨークではトレンド化こそしてはいないものの、サウナはジムの設備にあったりスパに併設されていたり、ウェルネスケアのひとつとして支持されています。つい最近も、ブルックリンにデザインコンシャスなサウナ施設が登場。タイムリーなトピックとしてこちらを今回ご紹介しますね。

Bathhouse in Brooklyn

何かと話題のエリア、ウィリアムズバーグに誕生した「バスハウス」。“銭湯”を意味するここは、世界のお風呂文化を融合させたスポット。1930年代に建てられたソーダ工場の跡地をリノベートしており、館内に一歩足を踏み入れるとタイムスリップしたかのような壮大なスケールが広がっています。いわゆるサウナ施設と聞いて思い浮かべるビジュアルとは一味も二味も異なります。

ロッカーで水着(持参必須)に着替えて携帯を預けたら、いざ。広々とした館内には、古代から伝わるスカンジナビアやロシア、トルコのお風呂文化を意識した、温水プール、スチームルーム、ハマム、サウナが完備されています。さらには視覚や聴覚などの感覚をシャットダウンするアイソレーションタンクもあり。汗をかいてリフレッシュするだけでなく、トリートメントルームではマッサージやスクラブなどの施術メニューを受けることができます。

このバスハウス、本来は会員制のクラブなのですが1日券のデイパスを購入するかトリートメニューを予約すれば、誰でもが利用できます。

ジムに通うニューヨーカーは多いけれど、サウナに会員として通うのも、新しいウェルネスの習慣になっているようです。

You Are What You Eat

なお、サウナを体験する時間がないという人には、併設のレストランを訪れてみては。白を基調とした天井高の空間に植物が配されたインテリアが、とても気持ちいいのです。料理はヨーロッパの影響を受けており、ボルシチがあればダックコンフィがあったり、ブイヤベースがあったり。栄養バランスを考えて作られているから、安心してもりもり食べられるとあって、界隈に住まう人々のお気に入りスポットになっています。厳格なベジタリアンというタイプの店でもないので、誰でもが楽しめるはず。カクテルバーとして使うもよし、週末のブランチに訪れてもよし。

おしゃれなファッションを見つけに行くのもいいけれど、時には心と体の緊張を緩めてリラックスの時間を作ることも大事。ニューヨーク流のリラックスを是非体験してみてください。

 

Bathhouse
103 N 10th St, Brooklyn, NY
https://www.abathhouse.com

(all photos: Adrian Gaut)