Vol.50 Stories of VASIC

日本では桜の開花から段階を飛ばして、早速汗ばむ陽気に。ニューヨークでも、いくつかある桜の名所で見頃を迎えています。そうなると、通年使えるレザーバッグもいいですが、その時々の季節に合わせた素材でスタイリングに磨きをかけるのもおしゃれの楽しみのひとつ。

今回ご紹介するのは、VASICの春夏コレクションのスター的存在のあのシリーズ。この時期だけのラフィア素材を手にもつトキメキを楽しみながら、また次の年になると違うバージョンも欲しくなってしまうという、危険なループが今年も皆様をお待ちしています。今年はストラップを可動式にしたことで、歩くたびにバッグとハンドルが揺れるムーブメントも魅力のひとつに加わりました。

Coco
厚みのある蓋を施して、工芸品のような趣を引き出したユニークなバッグ「Coco(ココ)」。VASICクリエイティブディレクターのKanokoにその意匠を尋ねると、「今シーズンは蓋付きのカゴバックを作りたいと思っていました。蓋つきのボクシーなイメージと、蓋なしのカジュアルなイメージの両方の顔を引き出しています。日常使いは難しいのかもしれませんが、このバッグでお出かけしたい! と心を弾ませるようなアイテムになって欲しいですね」と教えてくれました。

絵になる佇まいですが、バッグとしての使いやすさも抜群。たっぷりと物が入れられ、中はマイクロファイバースウェードでお手入れも簡単。2wayの使い方ができるほか、スナップボタンでふたを取り外して、トップにスカーフをあしらうのもオススメ。ラフィアとレザーのコントラストが上品で、大人の夏のバッグです。

Link
ラウンドのシルエットが特徴となったコンパクトなハンドバッグ「Link(リンク)」。こちらは、ただ眺めているだけではその良さは伝わりません。可動式のハンドルを手にすれば、ハンドルとバッグが呼応するように動きが生まれ、ちょっとしたお出かけにも笑顔をもたらします。Black、Maple(メープル)のベーシックなカラーラインナップの裏にある、こんな遊びがユニークですよね? なお、ダブルジッパーが両サイドに届くため、物の出し入れも簡単で、内側にはポケットつき。

Via
フラップショルダーバッグ「Via(ヴィア)」は、ラフィア素材をレザーのトリミングで大人っぽく仕上げたアイテム。機能面では、マグネットの開閉に加えてマチのある立体的な構造なので、物を出し入れしやすいのがポイント。内部にはカードポケットがついているので、持ち物をミニマムにしてお出かけするときにも便利です。軽くて使いやすいサマーバッグだけど、きちんと感も欲しい、という方におすすめです。

Jolly
季節感を引き出したマルチケース「Jolly(ジョリー)」。内部には仕切りがついていて、カードポケット、鍵のストラップといったディテールが機能面を充実してくれています。「とにかく軽い装いで外に気軽にお出かけしたい気分の時はありませんか? 携帯、財布、鍵など本当に最小限のものだけを持ち運びたい時、どんなバッグを持っていこうかと考えてしまうもの。そこで、昨シーズン発表したPetraに始まり、様々なタイプのマルチケースを作りたいと思いました。その過程で、最もラフィアに適していたのがこのデザインだったのです」。

今年のラフィアシリーズ、いかがでしたでしょうか? なおVASICのラフィアシリーズには、とてもシンプルな風合いの素材を使用しているので、サマーバッグとはいえシーズンを通じてお使いいただけるように工夫しています。季節を先取りして楽しんでいただければ幸いです。