Vol.89 Streets of VASIC

容赦のない暑さが日本中で続くなか、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。もう夏はお腹いっぱいという方も多いかもしれませんね。ニューヨークでは、ホリデーシーズンのビジュアル撮影を終えたところです。もうホリデー?と我々自身も驚きつつ、今年もスペシャルなアイテムを揃え皆さまにお届けできることが今から楽しみになりました。さて今回は、夏の盛りを迎えた時期ということで、ニューヨークのHOTな食スポットをご紹介していきます。

The hottest Bakery

ベーカリーブームが過熱するニューヨークでは、新しいお店が誕生すると瞬く間に行列ができる現象が続いています。そんな中、今最も話題を呼んでいるのが、ウィリアムズバーグにある「Birdee」。実はここ、VASICクリエイティブディレクターKanokoがパンオショコラにいたく感激したお店なのです。

評判のデニッシュ類は、バターの芳香とさっくり軽い食感が光る生地を土台にエアルームトマト&フェタチーズ、ストロベリーココナッツチーズケーキといった多彩なフレーバーを展開。クロワッサンのアレンジも見事で、円形のチュロスクロワッサンからペパロニピザクロワッサンまで、変化に富んだラインナップ。特に、ボストンクリームクロワッサンは上品なカスタードクリームと塩をきかせたチョコレートのコーティングが最高のバランスです。

さらに、人々を夢中にさせているのがアイスクリームサンデー。「ベーカリーのアイスクリーム?」と侮ってはいけません。この店はそもそも「Saga」、「Manhatta」といった一流レストラン出身のパティシエが手掛けており、アイスクリームだって真面目なデザートとしてじっくり堪能させてくれるレベル。クリーミーで素材の味を凝縮したアイスクリームに、トッピングで見た目もユニークに仕上げています。温州みかんのアイスクリームにはメレンゲと巣蜜、ピスタチオアイスクリームにはクリスピーなカダイフとチェリーをプラス。大人がコーヒーと楽しめる内容です。

The Matcha Hype

そして、ベーカリーブームとともにこの街を席巻しているのが抹茶ブームです。10年ほど前から抹茶ラテを出す店ができ始め、ここ3年ほどで若い女性を中心に人気が爆発。近頃はどこのカフェでも抹茶ラテが提供され、専門店も急増しており、”MATCHA”の文字を街中で見ない日はないほど。

ノーホーにある抹茶専門のカフェ「12 Matcha」はウェルネスとデザイン性を満たす今どきのコンセプトでバズを呼んだ1軒。今年3月のオープン直後は1時間待ちの行列ができたといい、今でも常時20分ほどは並ばなければ入ることができない人気ぶり。店内はミニマルなしつらえで備長炭入りのウォータータンクがラボのように並び、抹茶へのシリアスな姿勢が感じられます。提供するドリンクは「抹茶ラテ」と「抹茶アメリカーノ」のみ。抹茶は宇治の老舗、堀田勝太郎商店のものを使用しているそう。茶筅を扱うスタッフの荒っぽい所作には目を瞑りつつ(笑)、出来上がったラテを飲んでみるとしっかりと抹茶の苦味とほのかな甘みも感じられて大満足。しかも、デザートは「Noma」出身のペストリーシェフが考案しており、抹茶のバスクチーズケーキが絶品。

抹茶にうるさい(?)日本人だからこそ、是非試してもらいたいお店です。