Vol.12 Streets of VASIC

アメリカにおいて9月の第1日曜日は祝日レイバー・デイとなっており、この週末は夏の終わりを意味します。この日以降は白のボトムスをはかないという慣習もあるほどで、まさに晩夏に別れを告げるとき。日本はまだまだ暑さ厳しい頃ですが、ニューヨークはもう秋です! 食欲の秋を先取りして、誰にでもオススメしたくなるお店を紹介します。

Best Vietnamese Restaurant

「Hanoi House」はイーストビレッジに2017年にオープンしたベトナミーズレストラン。オーナーはアメリカ人で、有名シェフのレストランで経験を積んだチーム。アジアのストリートを意識した店内では、伝統的レシピを下敷きにさらに旨味を追求した巧みなアレンジをいただくことができます。ビールだけでなく、お店オリジナルのカクテルと一緒に楽しめるのもポイントが高いです。

Got Pho?

誕生から数年が経った今もなお毎晩行列ができる理由、それはただただ「美味しいから」の一言に尽きます。例えばフォーは牛のテールを36時間煮込んだスープが自慢で、クリアでさっぱりとしているのに体に染み渡る旨味の濃さが印象的。さらには、コラーゲンたっぷりの骨髄も追加でプラスすることも可能。いくつかあるフォーの人気店のなかでもダントツの美味しさで、無心でスープを飲み進めてしまうほど。

また、肉料理のほかシーフードの料理も秀逸で、ハーブや柑橘を料理に多用した他では出合えない独特の皿も豊富。はじめてみる料理でも、一口食べればベトナム料理の芳香や旨味がほっとさせてくれます。

Hungover Cure

そんな人気店は今年、フォーとベトナミーズサンドイッチのテイクアウトショップを隣にオープンさせました。フォーはチキンやベジタリアン向けもあり、ジューシーな肉と“なます”を挟んだサンドイッチもやっぱり美味。ほかにも、生春巻きや青パパイヤのサラダ、日替わりの丼もあります。カウンタースタイルでイートインもでき、一人で気軽に食事をしたいときにとても便利。

ニューヨークであえてベトナム料理? と思うかもしれませんが、ここの料理を食べれば目からウロコの体験ができるはず。中毒性の高い味なので、毎日通ってしまうなんてこともあるかもしれません。また、旅行中に胃が疲れたときにも最適です。ちなみに、二日酔いから復活したいときにフォーのスープをドリンクとしてテイクアウトするニューヨーカーも多いんですよ。

こんなニューヨークの片隅の日常も、実はVASICのクリエーションの源になっている、そんな話です。

 

Photos by Nick Solares