Vol.45 Stories of VASIC

ホリデーシーズン真っ盛りのニューヨーク。街は今、きらめきと人々の高揚感に包まれています。ストリートではクリスマスツリーの生木が売られ、デパートはもちろん図書館から郵便局まで、あらゆる場所で渾身のデコレーションをまとったツリーが見られます。そろそろギフト探しも本腰を入れなければマズい! という時期ですが、そんなタイミングにふさわしくVASICからスペシャルなラインが誕生しました。その名も、「MAISON VASIC(メゾンヴァジック)」。今までのアプローチとは異なる、私たちの新たなものづくりへの挑戦をご紹介いたします。

Introducing MAISON VASIC

この新ラインは、クリエイティブディレクターKanokoのパッションが結実したプロジェクト。「かねてより母国である日本で商品の制作、ひいては純粋なものづくりがしたいと願っていました。パンデミックであらゆる価値観が変化した時だからこそ、新しいことに挑戦したいという気持ちが高まったのです」。

VASICは6年前のスタート以来、季節ごとにアイテムやバリエーションを加えながら、幅広い女性の心に響くブランドを目指してきました。ファッション業界のサイクルと消費者の需要スピードに追いつくために新作を次々と発表していますが、MAISON VASICはそんなサイクルにとらわれずシーズンレスで展開。VASICらしさを根底に共有しつつも、特別感のあるグレードアップした世界観を披露していきます。コストと時間がかかるのも厭わず、Kanokoが理想とするビジュアルを純粋に実現する。それは作り手のわがままであって、一般に受けるものではないかもしれません。それでも、じっくり長く愛せる品、本当に欲しいものだけを買うというライフスタイルを持つ人たちと、より深いリレーションシップを築いていけたら。また、限られた数量のみの展開で責任ある生産を意識し、廃棄を出さない努力をしていきます。

Artisanal manufacturing & Personalization

デビューする商品のラインアップはバッグとジュエリー。
「まず最初に手がけたバッグはBond Miniでした。BONDはVASICにとって大切なスタイルです。それをどうしたらアップグレードできるのか、今まで実現を果たせなかったことなど些細なことから変化を試みていきました。クオリティと価格のバランスが求められるVASICでは使用できなかったイタリア製のスムース革を採用し、触り心地や、さり気ないディテールにもとことんこだわりました」。

プレイフルなスタイルが目立つVASICに対して、MAISON VASICはベーシックに根ざした飽きのこないシンプルなデザインに。派手さはないけれど、静かなその佇まいに質の良さを反映させています。「Amanda(アマンダ)」、「Coffa(コッファ)」ともに、手作業で施した繊細なステッチがアクセントに光ります。また、バッグ付属のチャーム部分にはイニシャルの刻印を入れることができ、「自分だけのVASIC」としてさらに愛しいものになりそう。

そして、VASIC待望のジュエリーも。「リモートワークや友人とのビデオチャットなど、画面を通してコミュニケーションを図るのが当たり前になった時にいつも目に止まるのは、ジュエリーでした。その小さなスクリーンでVASICを表現したいと考え始め、真っ先にジュエリーを始めたいと思ったのです」。こちらもやはりBONDをモチーフに使い、ノット(結び目)やコード(紐)がピアス、ネックレス、ブレスレット、リングで再現され、”ウェアラブルなBOND”に。お好きな英字の刻印も可能なほか、素材を自分で選べるパーソナルオーダーにも対応。それらは、確かな技術をもつ工房とのパートナーシップがあってこそ。

「いろいろな選択肢をお客様に提案して、コミュニケーションの機会となるような商品を作りたいと、日本の工房さんにはお話ししました。お気に入りのデザインを18Kプレーテッド(真鍮)、シルバーソリッド、18Kソリッド、ホワイトゴールドソリッドの4つの素材から選んでいただけます。少し贅沢かなと思いますが、”より質の良いもの”を集めるお手伝いができればとても嬉しいです!」

現在は限られたスタイルのみでの展開ですが、MAISON VASICというブランドは一つのジャンルにとらわれることなく、ライフスタイル全体に影響を与えるブランドになっていけたら。なお、お客様とブランド側が深く繋がることを大切に、MAISON VASICは青山店と心斎橋店だけでの取り扱いに限定しています。ブランドのこだわりや美学を伝えるショップスタッフとお客様との会話もまた、MAISON VASICだからこそ提案できることなのです。

Warm wishes for the New Year!

2021年も怒涛のようにすぎて行きましたが、誰にとっても決して平坦な1年ではありませんでした。外出する機会が制限されてもなお、VASICのバッグひとつで皆様の毎日に少しでも変化が生まれていたら幸いです。新たなラインも始まり、来年はさらに皆様と強い結びつきを持てるよう願っています。

今年もありがとうございました。どうぞ皆様良いお年をお迎えくださいませ!