Vol.63 Streets of VASIC

5月半ばにして麗らかな春…ではあるのですが、ニューヨーカーの私服はすでに夏仕様。ロングスリーブから一気にノースリーブへと変わる、その変わり身の早さは見事です。また、ファッションのジェンダーレスが浸透した今、キャミソールやスカートといったアイテムを着こなす若い男性やトランスジェンダーの姿も当たり前に。性を問わず、好きなものを身につけて輝いている人たちをカフェで眺める、そんな時間を楽しんでいます。そこで今日は、VASICディレクターのお気に入りカフェをご紹介します。

昨年イーストビレッジにオープンして以来、常に行列が絶えないスカンジナビア発のベーカリーカフェ。コンパクトなサイズのお店はミニマルなインテリアが心地よく、北欧スタイルの世界観がお好きな方にはたまらないはず。

縦に長くのびる店内にはガラス張りのキッチンがあり、パンやペストリーが焼かれては飛ぶように売れていきます。ここの名物はカルダモンブレッド。北欧系の代表的パンで、ほんのり甘いパン生地を噛むとカルダモンのスパイスが口いっぱいに広がり、コーヒーとの相性も抜群。また、その確かな技術はもちろんクロワッサンでも実感。表面のさくさくの食感と幾重にも層をなす生地の繊細さにうっとりとさせてくれます。午後にはパイやクリームパフなどデザートもチェックして。

そんなベーカリーとしてのレベルの高さと同じく、コーヒーにかける熱量もかなりのもの。スペシャルな生豆を世界中から探し出しているという「La Cabra」のコーヒー豆は、自社の焙煎所でライトローストに仕上げています。浅煎りの豆からこそ引き出せる、クリーンでビビッドなフレーバーが持ち味です。店のカウンターでは、バリスタがまるでラボにいるような雰囲気を醸し出しながらドリンクを作る様を見ることができます。ドリップはシングルオリジン、ブレンドを日替わりの種類の中から選べるほか、エスプレッソ系ドリンクならこっくりとしたラテやコルタードを楽しんで。また、ニューヨーカーが大好きな抹茶ラテもあります。

ブルックリンの肩肘張らないカジュアルなカフェもいいけれど、こんな大人の雰囲気のカフェでひとり読書を…というのも素敵。ニューヨークでカフェ巡りをしたいという方は、是非チェックしてみては。

次回のVASIC NOTEでは次のシーズンの新作がお目見えします。春夏のムードから一転したVASICのPre-Fallの世界へとご案内しますのでお楽しみに!