Vol.71 Streets of VASIC

12月も終盤、今年の締めくくりが迫ってきましたね。日本ではそろそろお正月の仕度も意識し始める頃でしょうか。ニューヨークでは人と会うときの最初の一言と別れ際に「Happy Holidays!」とさかんに声を掛け合っています。さて今年最後の配信となる今回は、来年に向けて暮らしのヒントになるような素敵なライフスタイルのお手本をお届けします。

LES Collection

最近見つけた、とても素敵な世界観のあるライフスタイルギャラリー。インスタグラム上で披露されていたアートや器、シルバーウェアなどのコンテンツに惹かれたのがきっかけでした。コロナ禍にスタートしたこのLES Collectionは、元々はオーナーの女性が敬愛するアーティストや作家を紹介したいという願いから創設。アメリカ国内やヨーロッパを中心に優れた作家を取り上げています。色味を抑えたニュートラルカラーを軸にしたキュレーションはポエティックな趣があり、現代的なミニマリズムとは一線を画す”ぬくもり”が感じられます。

ゆらぎのある可憐なフォルムを生み出すNathalee Pontinelliのセラミックや、マルセイユの刺繍作家Sarah Eapeuteのリネン、アンティークのキャンドルホルダーなど、生活にエスプリをもたらすアイテムがたくさん。そうした品々を見せるスタイリング術も勉強になります。ホリデー期間はソーホーにポップアップも誕生していたのが、それも年末まで。今後の展開も気になります。

The Silver Table Book

オンラインできれいな写真はいくらでも見つけられる時代だけれど、手にとって美しさを吸収したいと思ったのが、この小さなフォトブック。「The Silver Table Book」は、ブルックリンに住むChristiane Bussgenがコロナ禍から撮り溜めた食卓の写真をまとめた一冊。タイトルのとおり、シルバーの丸テーブルに置かれた料理の写真の数々は、ひとり窓際のテーブルで食事をしてきたChristianeの静かな日々の記録。食を通じて暮らしに喜びと彩りを追求する彼女の姿が透けて見えます。

そんな彼女の食卓は、地元のファーマーズマーケットや、オーガニック食材のデリバリーサービスで調達した旬の素材にコンセルヴァ(魚缶)や刺身などを合わせた、ごくシンプルな内容の料理がレストランのような皿に仕上がります。無機質なシルバーを背景にした静謐な写真は、すべてiPhoneで撮影したものだというから驚きですよね。

インスタグラムで投稿を重ねるうちに、このアカウントに魅せられたオランダの編集者から誘われて、本の出版を計画。クラウドファンディングで出版したという経緯もユニーク。以来、Christianeはこの本をテーマにレストランでポップアップディナーを打ち出しています。食と美しいものが好きな貴方にはぴったりの内容なのです。

さて、今年もVASIC NOTEにお付き合いくださり、皆さまありがとうございました。この場所では、商品にかける思いや、お客様との繋がりなど、VASICの”素顔”を発信できればと思っています。こちらからの一方通行の通信ではありますが、商品の背後にあるブランドのキャラクターが感じていただければ幸いです。2024年が皆様にとって美しい1年になりますように。そして、その日々のどこかにVASICが存在してくれていたら。

Happy Holidays!