Vol.83 Streets of VASIC

あっという間に2025年が始動してしまいましたが、皆さまはどんなスタートを迎えられましたか。ニューヨークは今、マイナス11度(!)なんて日が続いておりまして、例年以上に厳しい寒空のせいで、フレッシュというよりもシリアスな面持ちで1年のスタートダッシュに勤しんでおります。さて今回は、2025年の初回ということで、ちょっと趣向を変えて、VASICクリエイティブディレクターKanokoに、ホリデーから新年にかけての出来事を聞いてみました。

メキシコで迎えた新年

クリスマスが過ぎ去ったタイミングで、ニューヨークに暮らす年上の友人とともにメキシコのイスラ・ムへーレスへ出かけたというKanoko。年に4回はニューヨークと東京を行き来する身ゆえ、まとまったバケーションを取るのは実はとても難しいこと。ですが今回は、友人の誘いに思い切って乗ってみたことで実現したそう。

「初のメキシコはとても楽しくて。まず飛行機が着陸する前、窓から見えた海の色の美しさに胸を打たれました」。

カンクンからフェリーで20分ほどのところにあるイスラ・ムへーレス島は、カリビアンブルーの海と白い砂で知られる人気のリゾート地。ホテルやビーチでのんびりしたり、マーケットに買い物にでかけたりと忙しい日常とは異なる過ごし方をしたようですが、この旅で思い出深かったことを聞いてみると、

「色彩の豊かさに魅了されました。建物の色、海と空、植物の色、野菜やお土産の色・・・とにかく色が印象的でした。年越しは花火が上がるハッピーな雰囲気で迎え、初の日の出も見に行ったのですが、その幻想的なブルーとピンクの空は、今も目に焼きついています」

そんなメキシコでのインスピレーションが今後のプロダクトに反映されるのか? 期待したいところです。

温かいパイと仲間との時間

新年には、Kanokoが師と仰ぐアーティストのJulian d'Ysのアッパーウェストの家で、長年付き合いのある仕事仲間を含めて3人でディナーを楽しんだといいます。

「古い考えかもしれませんが、新年にはジュリアンの元へ挨拶に行くのです。日本食好きの彼らのご所望でお寿司を囲むことが多く、今年も手巻き寿司の素材を持参しました」。

ニューヨーク、パリ、東京と異なる土地で活躍する3人が顔を合わせるタイミングということで、近況をキャッチアップしたり、今後の計画を話したり。そしてデザートのときにサプライズが。

「ガレット・デ・ロワを用意してくれたのですが、オーブンでいそいそと温めているジュリアンの姿がとてもスイートで。温かいガレット・デ・ロワがとても美味しかったです。気になるフェーヴは、ジュリアンは私に当たるように用意していたそうですが、実際は彼本人のところに来てしまって。『うわぁー!!』ってショックを受けていました(笑)」

寒いニューヨークだからこそ、パイのぬくもりを通じて仲間への愛おしさがふつふつと感じられたのでしょうか。

「母国を離れているからこそ、こうした”ファミリー”と呼べる人たちが愛おしいし、ディレクターという鎧を脱いで、私も娘みたいに接することができる時間がありがたいのです」

最後に、Kanokoに2025の展望を聞いてみると、「今年はVASICが10周年を迎えるとあって、色々なイベントが控えています。挑戦できる1年をありがたく思いつつ、前へと進めたら」。

なおVASIC NOTEは今年もハッピーな情報を皆様にお届けしてまいりますので、引き続きご笑覧くださいませ。