Vol.92 Streets of VASIC

秋晴れの高い空にひんやりとした風が吹く今は、おしゃれのバリエーションが広がるとき。秋らしさをトレンチコートで満喫したり、あるいはアウターなしのニット一枚で出かけてみたり、本格的な冬が来る前に自由で軽やかなファッションが楽しいですよね。さて今回は、そんなおしゃれをしてインスピレーション探しへ。ちょっと変わり種のニューヨークのホテルをご紹介します。

Faena New York

Faena Hotelはアルゼンチン発のホテルブランドで、現実離れしたドラマチックなしつらえで”ストーリーテリング”のあるホテルとしての位置を確立。特にマイアミのFaena Hotel Miami Beachは、映画監督バズ・ラーマンとコスチュームデザイナーのキャサリン・マーティンの夫婦がクリエイティブコンサルタントとして内装を手がけており、舞台セットのようなスケールのインテリアを実現。ダミアン・ハーストによるマンモスの骨格標本を純金で覆った巨大作品をはじめ、ジェフ・クーンズら著名アーティストの作品も多く、アートなホテルとしても知られています。

そんなFaena Hotelがニューヨークにも上陸。ハドソン川とハイラインがすぐそばという好立地にオープンしました。クールでスリークな建物が並ぶチェルシーエリアにあって、ベルボーイの出たちからしてもはや異彩を放っています。

そしてマイアミに劣らず、こちらの館内もやはり派手! 迫力のある妖艶なムードがゲストを飲み込んでいくよう。全体に、「ムーラン・ルージュ」を彷彿とさせるグラマラスな世界観です。一方、ゲストルームはさすがに落ち着き、レオパード柄や赤いベルベッドなど強めのインテリア要素はあくまでアクセントにとどめているようです。

ここは実際に泊まらなくても、ユニークなパブリックスペースを見に訪れるだけでも価値あり。キース・ヘリングのアートなど館内の貴重なアートを眺めたら、ダイニング「La Boca」へ。ここは薪火料理のレジェンドとして世界に名を馳せるフランシス・モールマンが手がけており、ブエノスアイレスへのトリビュートを軸にスペインやイタリアのエッセンスも取り入れた料理を提供。シャンデリアがきらめくフロアでは朝食やランチのサービスもありますが、ドレスアップして大人のディナーやカクテルタイムを楽しむのがよさそう。

インテリアのヒント探しに、食事のデスティネーションに、ホテル巡りを楽しんでみるのはいかがでしょうか。