Vol.94 Streets of VASIC

ホリデーシーズン真っ盛りのニューヨークでは、凍てつくような寒さが続いています。外出ともなれば、ドアを開ける前に”気合い”を入れる瞬間が必要なほど。それでも一歩外へ足を踏み出せば、街には変わらず人がいて、寒さをものともしないホリデーシーズンの賑わいに驚かされます。オフィスやビジネス関連のホリデーパーティに友人たちとのギャザリング、大晦日のニューイヤーズ・イブもパーティへと、多くのニューヨーカーにとって12月はソーシャルなイベントが目白押しなのです。日本の師走の忙しさとはちょっと風情が異なりますよね。そこで今回は、ギフト探しに出かけたい素敵なお店を紹介します。

Nickey Kehoe

ユニオンスクエアのほど近くのストリートに、ひっそりとした外観ながら洒落たムードを放つアドレスがあります。1850年代に建てられた瀟洒な建物に構えたここは、LAのインテリアデザインスタジオ「Nickey + Kehoe」によるショールーム兼リテールショップ。建物の上階はショールームで、半地下のフロアとガーデンがオリジナル商品とセレクトしたライフスタイルグッズを扱うブティックストアとして運営されています。

レジデンスやホテル、商業施設などのインテリアデザインで知られるカンパニーですが、彼らのセレクトはヴィンテージとモダンの絶妙なバランスが秀逸。ハンドメイドの跡が光るテキスタイルやシルバー小物など、派手ではないのにさり気なくセンスの良さを発揮させる品々が見つかります。手頃な値段のアイテムもあるので、ふらりと覗きやすいところも嬉しい! チャンスがあれば、オリジナルのライティングや家具が散りばめられたショールームスペースも訪れてみてください。

Extreme Cashmere

そしてSOHOでは、この秋にオープンした「extreme cashmere」のニューヨーク旗艦店も要チェック。日本でも注目されているオランダ発のラグジュアリーニットブランドです。高品質カシミヤで作られるウェアはジェンダーを問わず1サイズの展開で、時代や季節にもとらわれない究極の普遍性を追求したデザインが自由な着こなしを提案。タートルニットからラウンジウェアまで、一目で質の良さが伝わる品々はワードローブの永久定番にしたいものばかり。

20世紀モダニズムを意識した店内は、フロアから天井までカーペットが施され、単なる店舗というよりもプライベートな邸宅のような濃密な雰囲気。ユーロモダンな家具のディスプレイも効果的で、インテリアを目当てに訪れる人が多いというのも納得。ニットの贅沢な手触りに魅了されつつ、店舗の世界観にもどっぷり浸ってみては。

Holiday Cheer
今年もVASIC NOTEをご覧いただき、ありがとうございました。このVASIC NOTEは、新商品やイベント情報をご紹介する場であるとともに、商品や店舗からは見えないブランドの実像をあらゆる角度から投影させてきた場でもあります。クリエイティブディレクターKanokoのコメント、エキサイティングなニューヨークの情報、そうした小さな欠片をお届けすることで、皆さまにとってのVASIC像がより深く、はっきりとした輪郭をもつようになれば、そう願って続けています。2026年も新たなVASICの素顔をお見せすべく、更新してまいります!